『建築の記憶』 ひとりごと 2008年02月14日 先日、東京都庭園美術館で開催中の『建築の記憶』展を見に行ってきました。近代から現代までの各時代に収められた建築写真が展示されています。その会場片隅の気づかずに通り過ぎてしまいそうなほど目立たない所に写真家の杉本博司という人が撮った建築家の安藤忠雄作の『光の教会』の写真があります。有名な写真なんですが、簡単にいうとピンボケした写真です。写真というものは何某の出来事や物事の詳細を“記録”するという機能を持っています。対象物である建物の細かな部分が分からないそのピンボケ写真からは、写真家がそこで感じた大きな感動を『記憶』に留めておくためにあえて“記録”することを放棄したような、そんな印象を受けます。『記憶』に留めるために“記録”しない、というストイックなスタンス。下の写真は美術館からの帰りに目黒界隈を散策して発見したフィリップ・スタルクがデザインした建物。『記憶』に留めることができないような小さな感動だったので携帯電話のカメラで「とりあえず」“記録”してしまいました。by tamura PR
すすらない。 ひとりごと 2008年02月12日 小学生がパンをかじりながら急いで家を飛び出すシーンといえば昭和のアニメで見かける「良くあるシーン」だけどあんな小学生ってホントにいるんだろうか。「良くあるシーン」といいながら何のアニメだったかさえも覚えていないのが普通の人の感覚かもしれない。そんなアニメでしか存在し得ないと思っていた小学生を先日見かけてしまった。ビックリしました。二度見しました。実写版おっちょこちょい小学生を見た驚きもさることながら“パンをかじりながら”ではなく“カップラーメンをすすりながら”という現代に即した設定変更を行った母親の演出力ディテールの細かさにはド肝を抜かれました。matsu
ピラミッド ひとりごと 2008年02月08日 先日ニュースで、学習院大学のキャンパス内にある、建築家前川國男の設計したピラミッド校舎が、老朽化の為今年をもって取り壊されるという知らせを聞いた。この建物は、僕にとって、少し思い出深い建物でもある。たしか幼稚園か小学生に上がった頃に、一度親に連れられて見に行った事がある。写真でも分かるように、この特異なフォルムが幼少の頃の僕に、無意識的に強烈なインパクトを与えていたことだけは、かすかに覚えている。その頃は、自分が建築の仕事をするなんて夢にも思っていなかったのだが、それから月日が経ち、自分が建築の仕事をするようになり、以前から前川さんの建物は好きだったので彼の展覧会に行った時、このピラミッド校舎の図面や写真があり、その時改めてあの時見たピラミッド校舎は前川さんの建築だったのかと再認識させられた。今となっては、幼少の頃見たものが、今の自分に何らかしら影響を与えていたのかもしれないと思われる。取り壊される前に、もう一度お目にかかりに行こうと思う。by koji
ピンポン ひとりごと 2008年02月07日 以前に書いた『鉄コン筋クリート』というマンガと同じく松本大洋著。全五巻。高校の卓球部を舞台にしたお話。三巻の表紙は主人公の幼馴染みの佐久間。とてつもない才能を持った主人公やそのライバル達がいる中で、人一倍努力をしてもまったく報われず、卓球から足を洗った可哀想な登場人物。卓球の試合に勝つことが目的か。それだけの才能を手に入れることが目的か。そのために努力をすることが目的か。それとも単純に楽しむことが目的か。何が目的かは分からないけれども、「卓球」という言葉のその辺りにみんながしがみついていて、どうしてしがみついたのか。どこにしがみついているのか。も、分からずにとりあえずみんなしがみついている。ということに気がづいて唯一手を離したのがこの佐久間。佐久間は凡人だけれども、これは凡人が真似出来る事ではない。by tamura
久しぶりに ひとりごと 2008年02月05日 映画観ました。『陰日向に咲く』原作はとても好きだけど映画の方はと言うと・・・「何だかなぁ」という出来。う~ん、もったいない。邦画界はまたひとつ優良コンテンツを食いつぶしたね。matsu
1㎝ ひとりごと 2008年02月01日 先日、バイクで高速道路を走っていた時の話し。走っていて、何か違和感を感じた。何かが違う・・・。う~ん、何だろうといろいろ調べた結果、タイヤの空気が少し抜けてきていた。いつもより少し視線が低い事で、若干違和感を覚えていたらしい。空気を入れ直した後は、それまでは、まるで地を這うかのように走っていたのが、空へ羽ばたいたかのようにたかが、1㎝視界が上がるだけで、まるで別の世界のように、目に映りこむ。そんな事だけでも、幸せに気分になれる出来事。たかが1㎝、されど1㎝。by koji
ドロー ひとりごと 2008年01月29日 アーバンドック・ららぽーと豊洲に行ってきました。この施設はららぽーと横浜とほぼ同時期に出来たのに豊洲のほうだけ「アーバンドック」って愛称まで付けてもらったり建築の専門誌に載ったりしてたので多少のライバル心を抱きつつどんなもんかと前々から気になってました。船だまり(ドック)を囲うように建てられていてロケーションは抜群のはずなのにその景色を享受できる場がほとんどありませんでした。ドックと建物に囲われた庭もただの通路になっていてとてももったいない空間構成だなぁと思いながら歩いてました。お店は充実していて良かったのですが特に用のない限りはもう一度行きたいとは思わないでしょう。うまくやれば新たなデートスポットになったかもしれないのに。かと言って横浜の方がいいのかといえばそう言いきれないところが切ないところなワケで。matsu