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建築家をめざす所員のブログ【KEN一級建築士事務所】

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建築とオタク

半月ほど前の休日に
上野公園あたりをブラブラしていたんですが、
そのとき目にしたのが解体準備に入っている
菊竹清訓設計の「ホテル ソフィテル東京」でした。
(下の写真は現存時のものです。)



黒川紀章設計の「中銀カプセルタワー」と同様に
メタボリズム(新陳代謝)運動を代表する作品です。

「メタボリズム」は
1960年代から展開された芸術運動で、
建築が新陳代謝を繰り返しながら
有機的に成長していくことを理念としており、
「日本発」「建築発」の芸術運動という点で
日本の芸術史上重要な出来事ではないかと思っています。

歴史的に見て、
日本人が自発的に作り上げてきた
「オリジナル文化」といえるものは少なく、
その多くは、
古くは中国・近代では欧米などの外国から輸入してきた文化を
長い年月をかけて自国流にカスタマイズしてきた
「アレンジ文化」です。

その「アレンジ文化」が主流の国・日本にとって
貴重な「オリジナル文化」であるメタボリズム運動。
そしてその代表作である「中銀カプセルタワー」「ソフィテル東京」。

歴史的・芸術的観点からみて
保存さるだけの価値はあるように思うのですが、
日本という国では、
「建築=芸術」という考え方が皆無であるのが現実で、
共にここ数年の間に解体されることが決定しています。

これらメタボリズム作品に限らず、
日本の「オリジナル文化」はどうも冷遇される傾向があるようです。

その冷遇の代表格といえるのが「オタク文化」。

現在のパソコンやインターネットなどの環境を
大きく発展させてきた立役者なのに、
世間が彼らにそそぐ眼差しはどうも冷たいように思います。

建築もオタクも日本では肩身の狭い存在です。

by tamura

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