違わない ひとりごと 2008年01月15日 おチビでおデブな女子高生トレーシーは大好きなテレビ番組のダンサー・オーディションに合格する。やがて、その風貌と明るい性格からかつてのナンバーワンダンサーを脅かす存在になる。スリムでスマートな他のダンサー達の中で異彩を放つトレーシーは一見コンプレックスと思われがちなその体型を極めてポジティブに捉えている。そんなマイノリティが生きにくい時代だった1962年。トレーシーは「人と違うことこそがいいことなのに」と言い放つ。未来を見据えた見識と信じるものを疑わない直向さはやがて周囲の意識をも変えてしまう。我々は人と違うことを忌み嫌う民族だ。自分が人と違わないことを確認しあい安心する日本人。「KY(空気が読めない)」などという言葉はそういった周りの顔色を伺ってコミュニケーションを計ろうとする民族性と行動原理がトレンドに支配されてしまっている現代性を如実に表している非常に貧しい言葉ではないかと思う。人と違うということは特別なことなのにね。『ヘアスプレー』matsu PR