『建築の記憶』 ひとりごと 2008年02月14日 先日、東京都庭園美術館で開催中の『建築の記憶』展を見に行ってきました。近代から現代までの各時代に収められた建築写真が展示されています。その会場片隅の気づかずに通り過ぎてしまいそうなほど目立たない所に写真家の杉本博司という人が撮った建築家の安藤忠雄作の『光の教会』の写真があります。有名な写真なんですが、簡単にいうとピンボケした写真です。写真というものは何某の出来事や物事の詳細を“記録”するという機能を持っています。対象物である建物の細かな部分が分からないそのピンボケ写真からは、写真家がそこで感じた大きな感動を『記憶』に留めておくためにあえて“記録”することを放棄したような、そんな印象を受けます。『記憶』に留めるために“記録”しない、というストイックなスタンス。下の写真は美術館からの帰りに目黒界隈を散策して発見したフィリップ・スタルクがデザインした建物。『記憶』に留めることができないような小さな感動だったので携帯電話のカメラで「とりあえず」“記録”してしまいました。by tamura PR