それでもやはり ひとりごと 2008年06月02日 とうとう『足立の家』が竣工しました。着工から毎週通い続けた現場に行くことももうあまりないのかと思うととてもさびしいです。それと大事に大事に作り上げてきた建物を完成と同時に引き渡さなければならないと言うのはこれまたとてもさびしいです。代理母のような心境です。産んだ事ないけど。ただやはり建主の方に喜んでもらうのが何よりの私たちの喜びでもあるので複雑な心境ではありますが良かったです。竣工写真は近いうちにHPにアップするのでそれまで楽しみにしていてください。そのときはまたここでお知らせします。ところでこの『足立の家』には柱が55本あります。木造なので当然「木」なわけですが木は自然によって育まれたものです。その木を使って人が住むための家を設計するのが我々の仕事であってその対価として幾許かのお給料をもらいそのお金で米や味噌をこさえているわけです。人が雨風をしのぐシェルターを欲することは極めて原始的な欲求でありそれは生活するうえでなくてはならないものでもあります。しかし建築活動はそのどの過程においても少なからず環境に負荷を与えます。建築活動が必要不可欠で代替のきかないものであるとわかっている以上我々はその活動においていかに環境への負荷を抑えることができるかを考えなくてはなりません。そこへどうコミットしていくかは個々人で方法は様々です。しかし一スタッフである私にとってその方法の選択にはやはり限界があります。今回私はアフリカの大地に130本の木を植えました。と言っても私にできることはある団体を通じて募金をする程度のことなのですがこれは私が社会人になったときに決めたことで建築活動をやめるまで一生続けていこうと決めていることですが建物に使った柱の本数の倍以上の木を自然に還元することにしています。これは単なる自己満足です。環境に負荷を与えていると言う罪の意識から逃れるためにしているのかもしれません。環境に負荷を与えた分自分は自然に恩返しをしていると言うある種の安心感を得るためのものかもしれません。しかしやらないよりはやったほうがいいしやらない人にとやかく言われることでもないのでこれからも続けていくでしょう。それでもやはり私はただの偽善者ですが。matsu PR