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建築家をめざす所員のブログ【KEN一級建築士事務所】

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それでもやはり

とうとう『足立の家』が竣工しました。

着工から毎週通い続けた現場に行くことも
もうあまりないのかと思うととてもさびしいです。

それと
大事に大事に作り上げてきた建物を
完成と同時に引き渡さなければならないと言うのは
これまたとてもさびしいです。

代理母のような心境です。

産んだ事ないけど。


ただ
やはり建主の方に喜んでもらうのが
何よりの私たちの喜びでもあるので
複雑な心境ではありますが良かったです。

竣工写真は近いうちに
HPにアップするので
それまで楽しみにしていてください。

そのときはまたここでお知らせします。


ところで
この『足立の家』には柱が55本あります。
木造なので当然「木」なわけですが
木は自然によって育まれたものです。

その木を使って人が住むための家を設計するのが
我々の仕事であって
その対価として幾許かのお給料をもらい
そのお金で米や味噌をこさえているわけです。

人が雨風をしのぐシェルターを欲することは
極めて原始的な欲求であり
それは生活するうえでなくてはならないものでもあります。
しかし建築活動はそのどの過程においても
少なからず環境に負荷を与えます。

建築活動が必要不可欠で
代替のきかないものであるとわかっている以上
我々はその活動においていかに環境への負荷を
抑えることができるかを考えなくてはなりません。

そこへどうコミットしていくかは
個々人で方法は様々です。
しかし
一スタッフである私にとってその方法の選択には
やはり限界があります。

今回私は
アフリカの大地に130本の木を植えました。
と言っても私にできることは
ある団体を通じて募金をする程度のことなのですが
これは私が社会人になったときに決めたことで
建築活動をやめるまで一生続けていこうと
決めていることですが
建物に使った柱の本数の倍以上の木を
自然に還元することにしています。

これは単なる自己満足です。
環境に負荷を与えていると言う罪の意識から
逃れるためにしているのかもしれません。
環境に負荷を与えた分
自分は自然に恩返しをしていると言う
ある種の安心感を得るためのものかもしれません。


しかし
やらないよりはやったほうがいいし
やらない人にとやかく言われることでもないので
これからも続けていくでしょう。

それでもやはり
私はただの偽善者ですが。




matsu
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