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建築家をめざす所員のブログ【KEN一級建築士事務所】

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さまよう・・・

妻を亡くし男手一つで育ててきた愛娘を
鬼畜ともいうべき少年に陵辱されたその父親。

少年法の壁に護られた少年たちに
何とか一矢を酬いるために奔走する。

この主人公の父親も警察も
常識から逸脱した行動を取るのだが
そこに必然性と説得力を持たせてしまうのが
原作者・東野圭吾のすごいところ。

東野作品の中では決して
飛びぬけたものではないけれど
相変わらず完成度は高いし
社会性をもった考えさせる内容ではあった。

しかし
映画のほうはまったくダメ。
人間が描けてないから
父親の怒りも警察の迷いも
少年の残虐性も伝わってこない。
全ての展開がご都合主義で
登場人物の行動原理に疑問ばかりが残る。

映画と原作どちらか一方を選ぶなら後者。
両方ならまずは原作から。

さまよったのは刃ではなく観客。

  
『さまよう刃』
原作・東野圭吾


matsu
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