社会派エンターテインメント ひとりごと 2007年01月29日 始まったばかりの2007年だけど 今年のベストムービーになるかもしれない映画に 早くも出会ってしまった。 周防正行監督の12年ぶりとなる新作 『それでも僕はやってない』だ。 ある痴漢の冤罪事件を軸に 日本の刑事裁判の問題点を痛切に描くことによって知らされる 数々の衝撃的な事実。 しかしそれは 誰にでも起こりうることで まさに明日は我が身だ。 おそらく監督の裁判制度に対する 激しい怒りが込められているんだろうけど 悲壮感に捉われず、堅苦しさもなく 見事な娯楽映画として仕上られている為 2時間半と言う上映時間を全く感じさせない。 見終わった後は現在の裁判制度に怒りを覚えつつも何かを考えずにはいられない。娯楽性と社会性という一見相容れない要素を見事にバランスさせるあたりはこの監督だからこそ成せる技だろう。matsu PR