束芋 所員の趣味 2007年02月07日 今年の冬休みを利用してフランスを旅してきました。建築をひたすら見て廻る旅です。が、今回は建築の話ではありません。ちょうど、カルティエ財団の建物を見に行ったときにやっていた、日本人の若手現代美術家「束芋」さんの展覧会についてのお話です。(カルティエ財団はジャン・ヌーベルというフランス人建築家が設計した建物です) 以前、NHKのトップランナーという番組で取り上げられていてとても気になっていたアーティストです。アニメーションで現代日本社会の停滞感や日常生活の違和感を表現しています。表現テーマよりもアニメーション自体の木版調タッチや、浮世絵風の色づかい、コミカルなコマ送りがとても魅力的です。 現地では「にっぽんの通勤快速」「Midnight Sea」というビデオインスタレーションを観てきました。作品の内容はもちろんですが、鑑賞の場の設定が面白かったですね。「にっぽんの通勤快速」では、遠近法に従って設置された左右3つずつの映像に囲まれることになります。まさに自分自身も日本の電車に乗って、ほかの乗客を眺めているような感覚になりました。「Midnight Sea」では、暗幕テントの中に寝転んで、天井に映し出される映像を見ることになります。映像は、海の波がいくつもうねり、その中に髪の毛のような不気味なものが見え隠れするモノクロのアニメーションで、どっぷりその世界観に浸れました。by maru PR