通過儀礼的愛 ひとりごと 2007年04月09日 誰かをはじめて好きになるというめくるめく感覚純粋でまっすぐな気持ちを書き綴った前半に対し純粋でも初々しくもないけどより現実に即したものの見方で恋愛ができる大人へと成長していく姿を描いた後半の2部構成からなる若者たちの物語。若さゆえの理想主義的恋愛感は時に「絶対」という言葉を安易に使いたがる。しかしある段階を経ると【過去】も【未来】も「絶対」といえるものなどなく確かなモノは【今】だけだという客観的な視座を得る。そのような段階に至らしめる恋愛をイニシエーション(通過儀礼)という言葉で表現している。つまり前半部分がそのイニシエーションで後半部分でもう一段階進んだ恋愛模様を描いている。・・・・・と思って読んでいると最後の最後でとんでもない結末が待っているという衝撃的な物語。『イニシエーション・ラブ』乾くるみ著matsu PR