忍者ブログ
建築家をめざす所員のブログ【KEN一級建築士事務所】

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

安藤忠雄建築展で実感したこと。

先日、ギャラリー間で開催されている安藤忠雄建築展へ
行ってきました。

今回の展覧会はただの展示会だけでなく、
「住吉の長屋」という70年代の名住宅の
実寸大の模型を体感でき、また、安藤さんの
トークショーがあるということでとても楽しみでした。



大学で建築を始めて、
初めて読んだ建築の本は安藤さんの著書
「建築を語る」であり、
初めて感動した建築は誌面でしたが安藤さんの
「六甲の集合住宅」でした。
そして、製図の授業ではじめに取り組むトレースの
課題は安藤さん「住吉の長屋」でした。


実は、生でみる安藤さんは初めてであります。
写真やTV、本から受けるイメージでは
とても厳しそうな人でしたが、
とても気さくな関西人といった印象でした。
トークショーも終始、笑いありの
和やかなムードでした。

それでも、話の内容は社会に対して、
批判的に、そして、こうあるべきだなどと
とてもメッセージ性のとても強い内容でした。
そもそも、安藤さんの建築自体が
どの作品にしても、
社会へのメッセージが強いデザインであります。
改めて、安藤さんの社会への熱い思いを
実感しました。

肝心の「住吉の長屋」実寸模型の感想です。
居間:3.7(奥行き)×3.3(間口)×2.25(天井高)
の空間はとても居心地のいい広さでした。
それはやはり、一面が中庭に面し、風がそよぎ、
空が見えます。どこか、心の奥で落ち着くのでしょうか。

また、中庭は、周囲を壁で囲まれ、一切のプライベート空間
でとても安心間があり、部屋との仕切りは窓ガラスのため
閉塞間は全くありません。

雨の日は傘を差してトイレに行かなければなりませんが、
その中庭でのんびり、食事や読書をしたい、
そして、この家に住んでみたいです。

shimada



PR

No.1 Disk

No.1シリーズが続いたので、自分もなにか一つ。
今年の自分のNo.1 Diskです。



先週、車のラジオ「J-wave」のなかで、
とても心地のよいピアノの音色が
響いてました。
とても印象的だったので、アーティスト名を
調べ、さっそくCD屋へ。

アーティスト名は「CESARE PICCO」。
読めますか?
イタリアのジャズピアニストです。
自分も初めて知りました。
読み方は「チェーザレ・ピッコ」です。
手帳にメモしたスペルを店員さんに直接みせ、発音してもらい、
そして、探してもらいました。

最新アルバムアルバム名は、
「Il tempo di un giorno」
がでているはずなのですが、なかなか見当たらない。

話をきいてみると、輸入を代理しているイタリアの会社が倒産し、
正規のルートでの入手は困難。
別ルートでの販売は、¥5000近くになり、日本のCD屋も
輸入を躊躇しているとのこと。
そんなことを知ると、なおさら、なんとかして手に入れたい気持ち、
あのピアノの演奏を聞きたい気持ちが高まってしまいます。

最新アルバムは無理なので、
その一つ前のアルバムを購入する事にしました。
「MY ROOM」というアルバムです。
早速、家へ帰って、play!

待ってましたとばかりに、素敵なジャズピアノの演奏が流れてきました。
軽快なリズムにのせた、とても心地よいメロディ、音です。

今年の最後に隠れた名盤が見つかりました。
うれしいです。

ピアノの音に興味のある方は
とてもおすすめです。

shimada

まっすぐ

『歪んだ建築空間-現代文化と不安の表象』アンソニー・ヴィドラー

とある物件調査の時に空き時間が出来たので
現場近くの本屋で買った本。

電車移動のときや、休み時間に読もうかと思い
事務所机のブックスタンドでスタンバイさせていますが、
未だに序文すら読み終えていません。



前書きと序文からすると、心理学的な建築論という感じです。

世の中にはいろいろな情報がはびこっていて、
それらが縦横無尽に交錯すればするほど
幾分かの湾曲が加えられるから、
もう本当に正しいものやまっすぐなものというのは自分達の
身の回りにはほとんど何もなく、
そういう近代的な文化や社会の中で生きる人間が
生み出すものは、そういう背景からくる不安や恐怖心を
反映してしまうんじゃないかと。
このように近代において空間が生み出される構造には、
このような2種類の「湾曲」が含まれていますよ、という内容。

、だと思います(序文しかよんでいないので)。

こう書くと簡単そうですが、
それなりに読むのが大変そうな本のようですし、
それになかなか読む時間もないので、
手垢で汚れることもなく、
ブックスタンドの間で「歪まずにまっすぐ」立っています。




アルミ

1ヶ月ほど前に
東京都現代美術館で開催中の
「SPACE FOR YOUR FUTURE」展を見に行ってきました。

写真は建築家石上純也の作品<四角いふうせん>。

大きなアトリウムの中で巨大なアルミの箱が
どこにも固定されず自由にプカプカと浮かんでいる作品です。

高さ14メートル、体積1000㎥もある巨大な物体なので、
見た瞬間に圧倒されてしまうのですが、
その一方で、中にはヘリウムガスが充填されているので
総重量は1トンで空気よりも軽く、また表面はわずか0.2ミリ厚の
アルミシートでできているので、ほんのわずかな気流にも反応して
表面が小刻みにプルプルと震えています。

とてつもなく巨大なのに、とてつもなく華奢、
というふたつの認識が
現物を目の前にしても一点に収束していかない
不思議な感覚がおもしろいです。

by tamura


命名

六本木クロッシング2007という
いろんなアーティストが出展している展示会を見に行ってきました。

感想としては
後になって作家さんの名前を目にしても
見てきた作品となかなか上手くリンクさせられないので、
印象が薄いというのが正直なところです。

カキ氷に全種類のシロップをかけて食べたら
それほどおいしくなかった、に近いです。

そのなかでも記憶に残っている作品の一つに
田中偉一郎という作家の「ハト命名」という映像作品がありまして、
ハトの群れ一羽一羽に人の名前を命名するという
見る人の笑いを誘うような馬鹿馬鹿しさをもったコミカルな作品です。

以前に読んだある本の中で、
ある植物学者がアフリカかどこかに研究で訪れた際に
見たことがない雑草を発見して、ガイドの現地人に
「この雑草は何という名前だ?」と聞いたら
「こんなどこにでもあるような雑草に名前なんてあるはずないだろう。」
といって笑われた、なんてことが書かれていました。

身の回りにあるものの中に名前の知らないものがあっても
それには当然に「名前」が存在することが当たり前という感覚に、
何だかムズ痒いような気持ち悪さを
ハトの「ホロッホー」をきっかけにして感じました。

by tamura

トラベル

またまたマンガの話。


横山裕一『トラベル』


3人の人物が電車に乗って目的地に着くまでのお話。

お話といっても
車中で特に何かが起こる訳でも無く、
車窓を流れる風景が特別な訳でも無く、
登場人物に感情や意思を表わすような表情も仕草も無く、
会話どころか文字や音すら無く、
とにかく「3人の人物が電車に乗って目的地に着く」
こと以上に説明する内容が無いです。

だがしかし
物語も内容も無いはずのこのマンガですが、
読み進めていくと、
なぜだか全てのコマが
ストーリー上重要な伏線に見えてきます。

これはおそらく、
大きな物語があって、
それに沿って振舞う登場人物いて、
その物語の世界観を表わす背景があって、
物語や世界観を補完する会話や文字がある。
という既成のマンガの構造に慣れ親しんでいるがために起こる
パブロフの犬的なもの。

この作品は既成のマンガのセオリーに反しながらも、
「既成のマンガ」という構造に癒着しそれを原動力としている、
「寄生のマンガ」。

おあとがよろしいようで。


by tamura

鉄コン筋クリート

原作の漫画を最近読みました。



主人公であるクロとシロは
「空を飛ぶことが出来る。」のですが、
原作のマンガではあまりその辺のことが
あまり具体的に描かれていません。

それはマンガというフィクションな世界の中にあって、
さらにフィクションな存在として彼らを描くために
作者によって意図的に掻き落とされた部分
なんじゃないか、と勝手に思っています。


昨年、この作品は映画としてアニメ化されましたが、
はたして彼らが空を飛ぶシーンはどうなっているんでしょうか?

露骨に空を飛んでいたらがガッカリしそうなので
アニメ版を見るのは当面、先送りにしたいと思います。


by tamura




pagetop